アライド・ブレインズ、官公庁・独立行政法人134ウェブサイトのクオリティ調査結果を発表
- 依然50%以上の機関が「アクセシビリティ対応不十分」の現状が明らかに -

【プレスリリース】 報道関係者各位

2009年8月11日
アライド・ブレインズ株式会社

アライド・ブレインズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:内田 斉、以下アライド・ブレインズ)は、2009年7月から8月にかけて実施した「第3回官公庁・独立行政法人ウェブサイト全ページクオリティ実態調査」の調査結果を発表いたします。この度の調査では、対象134機関中11サイトがアクセシビリティ対応の起点である「A」評価に到達したものの、依然50%以上のウェブサイトが対応不十分なレベルにとどまる実態が明らかになりました。

ウェブサイトはいまや欠かせないコミュニケーションツールとして定着し、「高齢者や障がいを持った利用者にとっても遍く使いやすい」こと、すなわちウェブアクセシビリティの確保に取り組むサイトも増えてまいりました。特に官公庁や独立行政法人、自治体など公共性の高いウェブサイトにおいては、2004年にJIS規格対応策定、2005年には総務省より「みんなの公共サイト運用モデル」指針が発表されるなど、きめ細やかなアクセシビリティ対応が求められており、少なからぬ運営者が改善に努めています。

アライド・ブレインズはこうしたなか、より多くの公共サイトが「誰にとっても使いやすい」理想を実現するために、取り組みの指針となる現状を認識していただく目的で、2006年より官公庁や独立行政法人、自治体、政党のウェブサイトを対象にしたアクセシビリティ品質調査を実施し、分析結果をお伝えしております。実施にあたっては、当社が独自開発したホームページの品質解析プログラム「CRONOS2(クロノス2)」を用いて対象サイトの“公開されている全ページ”を解析し、アクセシビリティ対応状況を数値化・集計しています。

第3回目となる今回の調査の結果は以下の通りです。

レベル 官公庁 独立行政法人
A 3 8
B 4 10
C 17 23
D 11 33
E 2 23

調査結果の一覧は、ウェブアクセシビリティ総合サイトA.A.O.にて公開しております。
http://www.aao.ne.jp/research/cronos2/2009_gov3/index.html

各サイトのアクセシビリティ対応状況を上記5段階で評価したところ、2008年7月に実施した第2回調査と比較して「到達レベルが上がった」サイトが32あり、官公庁サイトに限ると全体の約30%にあたる11サイトで改善が見られました。

しかしながら、サイト全体でアクセシビリティ対応が行なわれている可能性が高い「A」レベルは134サイト中依然11サイトにとどまるなど、公共サイトとして「誰にとっても使いやすい」レベルとはいえず、本質的な品質向上には一層の改善努力が必要な現状も浮き彫りになりました。特に独立行政法人においては、基本対応が不十分な「D」レベル以下のサイトが60%を占め、4サイトは前回調査から到達レベルが下がるなど、官公庁や自治体のサイトに比べて取り組みの遅れが目立つ結果となりました。

また、到達レベルとは別に「リンク切れの状況」に関する調査結果を公表しています。リンク切れを含むページの割合がサイト全体の1割を超えるサイトが18確認され、サイトの利便性に大きな問題があることが判明しております。

なお、「すべてのウェブ利用者」の利便性向上という本質的ゴールへの道程において、「A」評価=全公共サイトが最低限到達すべきスタート地点と位置づける本調査の目的に照らし、対象サイト個々のランキングは発表しない方針です。アライド・ブレインズは今後も、客観的な指標で官公庁・自治体・政党等のウェブクオリティ評価をお伝えし、公共サイトの一層の品質改善と「すべてのサイト利用者」の利便性向上に貢献してまいります。

アライド・ブレインズ株式会社
調査・コンサルティングファーム。アクセシビリティを中心としたウェブサイトの品質確保・向上に関し、総務省推進プロジェクト支援、官公庁・自治体・企業のコンサルティングなど多数の実績がある。「みんなの公共サイト運用モデル」に関しては、総務省より委託を受け検討支援を担当。

A.A.O.について
自社運営のウェブアクセシビリティ総合サイトを核にした、提供者と利用者のためのアクセシビリティ向上支援プロジェクト。サイト及びメールマガジン、セミナーを通じ、関連情報や支援ツール、また制作者・提供者と利用者の連携支援サービスなどを提供している。

CRONOS2について
ホームページの全ファイル(同一ドメイン内)を解析し、ウェブアクセシビリティをはじめとするサイト全体の問題点をレポートする、アライド・ブレインズの独自開発プログラム。本調査のほか、毎年公表している「自治体調査全ページクオリティ実態調査」等の独自調査、また個別クライアントからの受託を通じ、約1200サイトの解析実績がある。「全ページクオリティ実態調査」において評価項目としている「画像に対する代替テキスト付与状況」「HTML記述の文書構造化状況」のほか、HTML以外の全ファイルを対象にしたファイル構成や容量、更新状況などの項目による解析が可能。

本プレスリリースに関するお問い合わせ

アライド・ブレインズ株式会社 担当:目次(めつぎ)・大久保・田崎
Tel:03-3261-7431  Fax:03-3261-7432 e-mail:office@aao.ne.jp
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-10-9 九段VIGASビル 2階

→アライド・ブレインズ「第3回官公庁・独立行政法人ウェブサイト全ページクオリティ実態調査」の概要